「というわけで」
イズミ先生の襲来と、気絶からの回復後、すぐにエドは本題に戻った。
「ホームルームの続きすんぞ」
エドは何事も無かったかのように、ホームルームを進める。
生徒は何か言いたげな顔をしたが、とりあえず放っておくことにする。
「うし。んじゃ、始めんぞー」
そういってエドは、黒板に字を書き始めた。
もちろん、さっきと同じようなことはしていない。今回は少し高めに書いている。
そして黒板に書かれた文字は、
『期末テスト』。
「――が、ある」
エドは生徒たちに向き直ると、チョークを置いた。
どこのクラスのもあるように、「えええええ」 という声が上がる。
だがエドはさして気にした様子も無く、
「うるせーよ、おめーら」
という一言で黙らせた。
「いいか、おまえら。今回のテストは、マジでいい点とってくれよ?
じゃないと、オレが校長に怒られるんだからよー」
エドはさも不機嫌そうに顔を歪める。
ほとんどの生徒は黙り、一部の生徒が何かブツブツ言っている。
静かになった教室を見て、ホームルームも終わりにするか、とエドは思ったが、
一人、挙手する生徒がいた。
「どうした、アルフォンス」
エドは手を上げているアルフォンスを見る。
「あ、先生。ひとつ気になる言葉があったんですが・・・。」
「なんだ?」
片眉を上げて聞くエドに、アルフォンスは聞いた。
「あの、校長に怒られるって、どういうことですか?」
生徒はみんなそーだそーだと連呼する。
だがエドはつまらなそうに答える。
「バッカ、おめえら、そんなの決まってんだろ。おまえらのテストの点が悪いからだよ。
『期末テストでC組とタメ張れたら、B組は1ヶ月補習と伝えておいてくれないか、エルリック先生』
って、校長からの伝言だ。 聞いたか、おまえら?」
えー、うそー!という言葉がクラス中に響き渡る。
「しょうがねえだろ。おまえらが頭悪いんだから」
エドがそういうと、クラスメイトは一致団結した。
「なんだよ、先生も校長に何とか言ってくれればよかったのに!!」
「そうだそうだ!!」
「バカ!」
「無能!!」
「チビ!」
と、暴言が飛び交う。
そして流石のエドも最後の暴言にイラッときたのか、
「うるせぇ!うるせぇ!!うるせぇぇぇ!!!」
と叫ぶと、大きな紙を用意した。
なんだアレ?と、ヒソヒソとした言葉が聞こえてくる。
だがエドはそれも無視してその紙を黒板に張る。
「いいかおまえら!これは『3年B組で最も頭が悪い人ランキング~』の紙だ。 今からこれを黒板に張って、発表すっからな!!!」
エドがそう言うと、クラス中に悲鳴が上がった。 |