戦隊モノパロ 2

 

ロックオンと刹那は、悪の組織を倒すため、思いっきり走っていた。

だが、いくらなんでも、20代後半になろうとしているロックオンには、これはちょっとキツい。

その証拠にロックオンの息は、絶え絶えになっていた。

「せっ・・・せつっ、おぇっ。せつなあ・・・っ」

「なんだ、ロックオン」

「おまえ・・・どうして平気なんだよ・・・」

「なんでって・・・」

ロックオンに質問された刹那は、一瞬戸惑ったものの、すぐに軽い笑みを浮かべ、

「だってオレ、ガンダムだし」

と答えた。

その答えを聞いたロックオンは、そっかあ・・・ならしょうがないよね、とあきらめる。

「せっ、せつな・・・っ、どこにあんだよ、悪の組織って・・・。

つーか、ホントに悪の組織って名前なのかよ・・・っ。おえっ」

「ロックオン、老化してきてないか? 大丈夫だ、悪の組織はもうすぐだし、悪の組織は悪の組織だ」

「こっ、こた・・・っ、答えになってねーぞ・・・」

ロックオンのカッコイイセリフも、息が切れているとなんてことなく、刹那はもっとスピードを出して走っていってしまう。

「せっ、刹那ぁ、待て・・・っ!!」

ロックオンも吐きそうになるのを必死にこらえながら、刹那に追いつく。

すると刹那は、急停止をして、ロックオンはその背中に激突する。

「いってえな、刹那・・・! 急に止まんなよ・・・って、どうした・・・?」

ロックオンは、前をガン見している刹那を不思議に思い、たずねる。

「ロックオン・・・」

「なんだよ?」

「あれ、悪の組織だと思うんだが」

「え?」

地面に座ったまま、ロックオンが見た人物。

それこそが、紫色の髪を持ち、ピンク色のカーディガンを着た、ティエリア・アーデ。

「・・・・・・」

ロックオンは、その姿に唖然としながら、すぐに刹那の考えを打ち消す。

「いやいやいやいや、ないでしょ刹那!どう見てもあの子、普通の女の子じゃん!悪の組織とかじゃないじゃん!

きっとあれだよ、ただ目つきが悪いだけだよ!近づきにくいオーラを放ってるだけ!

クラスで一人はいるじゃん、そういう子!そういう委員長!!そういう子だよ!!」

「え、でも・・・」

「ないないないない! だからー、悪の組織ってのは、なんかとリンクできたり、人間じゃなかったり、

目の色が変わったり・・・・・・」

「それに全部当てはまるんだが」

ロックオンの必死の説得を聞いていたティエリアが、刹那の代わりに答える。

「俺はそのすべてに当てはまるぞ。リンクできるし、イノベイドだし、目もほら、金色になる」

ティエリアはそう言ってメガネをとったら金目になった。

「それでも!だとしてもだ!!」

「人の口癖をパクるな!!」

ティエリアからツッコミを受けても、ロックオンは認めていなかった。

いやいや、ないでしょ。こんな女の子みたいな子が、悪の組織ー?

「ていうか貴方、さっき俺のこと女の子って言いましたよね。俺は、女じゃないですよ」

「いやいやいや、それもありえないって!」

目の前の女の子(っぽい子)が女じゃない?あ、そっか、あれね!!

ロックオンは、走ったせいもあって頭がまだ混乱していた。

「君、あれでしょ!? 胸がないの気にしてる!?大丈夫、女は胸じゃないよ!!」

「だから違うって言ってるでしょう」

ティエリアはそういうと、ロックオンと話すのをやめ、刹那に向き直る。

「なんなんだ、君たちは。っていうか、あの人は」

「アイツは変態だ。そして、俺たちはソレスタルビーイングだ」

「おーい、刹っちゃーん」

ロックオンの叫びを無視して、ティエリアが怪訝そうに眉をひそめる。

「ソレスタルビーイング・・・?君たちが、本当に・・・?」

「ああ。俺が、俺たちが、ガンダムだ!」

「いや、そんなことは聞いていない」

刹那の口癖をティエリアはあっさりとかわし、フッと笑う。

「ならば見せてもらいたいな!君たちが、ソレスタルビーイングである理由を」

どっかで聞いたことがあるようなセリフだったが、仕方がない。

ロックオンは刹那に目配せをして、アレをやるぞ、と合図する。

(アレ・・・ってなんだっけ?)

刹那はそんなことを思うが、ロックオンは、そんなことは知らない。

「行くぜ刹那!俺たちがソレスタルビーイングである理由っつーか、証拠を見せるぜ!」

もうなんにでもなれ、で、刹那は声を張る。

「俺とロックオンは、ソレスタルビーイングの中でも特別な存在・・・!」

その言葉に、ロックオンがうんうんとうなずく。

「ガンダム戦隊、ソレンジャーだ!!!」

その言葉に、ロックオンはうんうんとうなずいたあと、あれ?と思う。

「刹那、今なんていった?」

「・・・ガンダム戦隊、ソレンジャー・・・」

「何それ!! この間考えただろ、敵に会ったときの!!勝手に決めんな!!」

「いや・・・だって忘れちゃったし・・・!」

「なんでだよ!!3時間かけて決めただろ!!

ホラ、手をここにして、『ガンダーム・・・」



そんな中ティエリアは。

悪役が必ずすること、正義の味方がしゃべったり変身しているシーンに攻撃を入れてはいけないという掟を、

しっかり守っていた。

機動戦士ガンダム00

 

連載

 

戦隊モノパロ

戦隊モノパロ 

戦隊モノパロ 3                              

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