戦隊モノパロ アレルヤ編3

 

「すみません!本当に大丈夫ですか!?」
 
ロックオンとぶつかってしまった少年が、落ちた荷物を拾いながら、ずっとその言葉を繰り返す。
 
「本当にすみません・・・!ケガとかは・・・」
 
「だから大丈夫だって。ケガもないよ」
 
ロックオンは笑いながら、右手をひらひらさせてみる。
 
だが少年は、食い下がり、
 
「いや、でも、本当に大丈夫なんでしょうか・・・」
 
と、心配そうな顔で見つめる。


 
「・・・あそこのマルチーズ」
 
「犬の心配だったのかよ!!」



 
 
「はい。まあ、これ飲んどきなさい」
 
ロックオンはそう言って、買ってきた缶コーヒーをアレルヤに渡した。
 
アレルヤはそれをしばらく見つめた後、ぽつりと呟く。
 
「ありがとうございます・・・。でも」
 
「ん?」
 
でも?とロックオンが不思議に思うと、アレルヤはしれっと言う。
 
「僕、ミルクが入ってないとダメなんですよね」
 
「・・・じゃあ飲むな」
 
ロックオンはアレルヤの手から缶コーヒーを取り返す。
 
「あの、あなたの名前は・・・?」
 
アレルヤが、おずおずと尋ねてくる。
 
「名前?ああ、ロックオン」
 
「ロックオン・・・さん?」
 
「ロックオンでいいよ」
 
ロックオンはそう言って、にっと笑う。
 
「じゃあ、君の名前は――」
 
「守秘義務があります」
 
「え?や、だからなま」
 
「守秘義務があります」
 
「・・・・・・」
 
「守秘義務があります」
 
「いや、なんも言ってないけど、オレ!」
 
ロックオンはベンチから立ち上がってそうツッコむ。
 
「ていうか何?君は守秘義務があんの?名前いえないの?」
 
「はい」
 
「そういう時はうまくはぐらかすんじゃねえのかな、普通」
 
ロックオンの正論を無視して、アレルヤはふう・・・とため息をつく。
 
「・・・あの。ちょっと、話を聞いてもらってもいいですか・・・」
 
「ん?」
 
ロックオンが缶コーヒーを開けて飲み始めると、アレルヤは淡々と語りだす。
 
「僕、実は悪の組織にいるんですけどね・・・」
 
「いやいや、それも守秘義務あるんじゃないの?言っちゃっていいの?」
 
「もう、いやなんです・・・」
 
「そんなことボスに言えよ。オレに言ったってどうにもなんないよ?」
 
「オレオレ詐欺をやらされたり、あ、でも、僕引っかかっちゃうんですけど、もう・・・、こんなこと・・・いやだ・・・!」
 
「いまどきオレオレ詐欺に引っかかるやつなんてそういないよ?お兄さんすごいね」
 
「悪事をするなら、もっとすごい悪事をしてみたい・・・!」
 
「おーい、本音でてるぞ!本音出てるよ、お兄さん!」
 
「っせーな!!人の話は黙って聞けよ!母ちゃんに習わなかったのかてめえ!!(ハレルヤ)」
 
「・・・す、すいません」
 
「だからよー、もっと働くんなら、スゲーことしたいわけよ。世界征服とか」
 
「(悪の組織には無理だろ)」
 
「んだとてめえ!!!」
 
「なんで聞こえてんだよ!!!」
 
ボケとツッコミがしっかりと成り立って、もうコントのような会話である。
 
そのうち公園にいたほかのお母さん方は、ヒソヒソと話し始める。
 
やだあ、あの人さっきのロリコンじゃないの?
 
まあ、ホントだわ!きっとあれね、ケンカしてること付き合ってるんじゃないの!!
 
きゃー!結構歳離れてそうじゃない!!
 
マジかよー。オレ、ロリコン扱いされてるよー。
 
ロックオンがそう思った時、武力介入してくるやつがいた。
 
「ロックオン!」
 
「刹那!!」
 
そのときロックオンには、刹那が神に見えたという。
 
「せ・・・、刹那あああ!刹っちゃああああんん!!」
 
いきおいあまって抱きつくロックオン。
 
だが刹那はそれを、「ロックオン気持ち悪い近づくな」と早口で話してしまうからすごいもの。
 
そしてそこに、アレルヤが加わる。
 
「はじめまして。ロックオンのお友達?」
 
「違う。保護者だ」
 
「オイ」
 
「へー、すごいねえ。お名前はなんていうの?」
 
「おまえツッコめよ」
 
「ガン・ダム・ダー・ブルオー」
 
「へー、すごいねえ。ミドルネームも入ってるね。なんて呼べばいい?」
 
「だからおまえツッコめよ」
 
「エクシア」
 
「エクシアくんかー。いい名前だねー」
 
「いや、さっきエクシアって入ってなかっただろ!おまえらどんだけテキトーなんだよ!」
 
「ロックオンと同じにされては困る。あんなダサい名前を堂々とは普通、言えないがな」
 
「確かにねえ」
 
「うるせー、余計な世話だ!!」
 
「あんたの名前は?」
 
「そいつ、守秘義務あるって言ってたぜ」
 
「ん?名前?アレルヤ」
 
「おいィィィィ!守秘義務どーしたおまえェェェェ!」
 
「じゃあねー、エクシアくん。また話そーね」
 
「ああ」
 
会話終了。
 

 

「おまえらよく会話が成り立ってたよな」
 
そういうロックオンの顔には、コーラのあとがある。
 
これは、刹那がロックオンにあの会話のあと、コーラをあげたのだが、その中から大量のコーラが飛び出たためである。
 
「おまえらの会話、ツッコミいなかったじゃん。ボケだけだったじゃん」
 
「おまえはアレだな、人の会話にアゲ足ばかりとっていたな。母ちゃんに習わなかったのか!」
 
「おまえさっきの会話聞いてただろ!!」
 
そんな会話をしながら、刹那とロックオンは、帰って行った。
 

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