まあ、そんなこんなで、ソレスタルビーイングVS悪の組織の戦いが始まったわけだが。
「ロックオン、さっき決めたポーズをやっていないんだが」
「何ぃ!? あ、そうだった」
「今からやるか?」
「ええー、でも、いくらなんでもあの子許さないでしょ・・・」
「いや、意外といいやつなのかもしれないぞ。俺が頼んでみる」
「お、おお。そうしてくれ」
「了解」
こんな具合に、一向に勝負ははじまろうとはしない。
始まろうとしても、ソレスタルビーイング側がよくタイムをとっているわけである。
「すまない、ティエリア・アーデ。決めポーズをやる時間をくれないか」
「・・・決めポーズ?」
ティエリアは、怪訝そうに刹那を見たが、
「別にいい。いくらでもやってくれて構わない」と、すぐにOKを出す。
「そうか。 感謝する」
刹那は少し表情を緩ませると、ロックオンのもとへ走りよる。
「ロックオン、決めポーズをやってもいいそうだ。許可が出た」
「おお、さすが刹那!よくやった~」
ロックオンはそう言って、刹那の頭をわしわしとなでる。
「いや、ロックオン。そんなことしてなくていいから、決めポーズを」
刹那がそう言うと、ロックオンははっとしたように、「そうだった!」と言った。
「行くぜぇ、刹那!」
「了解!」
ロックオンと刹那は手を斜めに構えると、セリフを言い始める。
「オレたちは、ソレスタルビーイング・・・・・・」
ロックオンが小さくそう呟くと、刹那とロックオンは目をくわっと見開き、
「オレが!」(ロックオン)
「オレたちが!!」(刹那)
「「ガンダムだ!!!」」(ハモリ)
と叫んだ。
そして、ティエリアはというと、目を丸くしてそれを見ていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・な、」
ロックオンが沈黙に耐えられなくなったかのように、顔を真っ赤にして叫ぶ。
「なんとか言ってくれよ!!!恥ずかしいんだから、いい年して恥ずかしいんだからね、オレ!
罵るとか冷たい目で見るとか、何とか言ってくれよおおおお!!!」
「・・・あ」
そういわれたティエリアは、
「す、すごいですね。 なんというか、迫力が・・・あるような気が・・・」
と、必死で褒めた。(ちなみに棒読み)
そしてロックオンは。
「バカにしてええええ!いっそのことバカにしてええええ!!」
ひざに顔をうずめて泣いていた。
「も、もういい!もう勝負を始めよう!!」
ロックオンはそう言うと、自身の武器である銃を取り出した。
「悪いけど、仕事だからな。手加減はできねえぜ。 さっ、刹那も武器出せ。あ、ニッパーはやめろよ」
ロックオンの言葉通り、刹那はちゃんと7本の剣を出す。
「どうした?お嬢さん。ビビってんのかい?」
ずっと下を見つめていたティエリアは、顔を上げると、かすかな笑みを見せた。
「その程度で・・・・・・」
「ん?」
ティエリアの言葉が聞き取れず、ロックオンは聞き返そうとする。だが、その前にティエリアが続きを言った。
「その程度で、この俺と戦おうなど・・・・・・」
「え」
ロックオンがまさか、と思ったらそのまさか。
ティエリアが取り出した武器は、バズーカなど、2人には比べ物にならない武器。
「え・・・ちょ」
どっから出したんだそれえええええ!
というロックオンの叫びは、口には出ずに、心の中で消えた。 |